Baja 250 SportFish。
レポート;松浦 昌治/Bjp_WEB

1960年代半ばBaja(バハ)は独自のパフォーマンスボートビルダーとして誕生した。その60年代にはCLASSICCT150、70年代には190TC、Carrera240、Carrera SS、80年代には240 Sport、420を生み出し、1990年代は38 Spesial、272、20out、320out、そしてアウトロウシリーズ、SPORTFISHシリーズを完成させている。
Bajaと云えばレーシングボートで名高く、その戦歴は世界中にその名声を轟かせている。そんなレーシングボートビルダーが本気?で創ったのが「Baja250 SportFish」さて、その本気度を探るため「ルアー雑学」でお馴染みの松浦氏がアングラーの立場からインプレッション。この日は南西からの強い風がハーバー内の水面までが波立ていた。
「ボートのデザインから見ると一目瞭然で釣り船ではなく、アングラーのためのスポーツフィッシングボートであることがわかる。
センターコンソールにTトップ(T-BAR ROOF)がついているだけのシンプルなデザインだが、これは釣りをする際に必要なスペースを重視しているからこそで、実際に釣りをしてみて解ることだが、一段高くなったバウデッキはキャスティングやスタンディングファイト時に最適な高さに設計されており、多少の揺れにも安心感がある。
またその高くなったバウデッキ下には3つのライブウェル(イケス)がありそれぞれにエアーレーター(海水循環装置・海水ウォッシュダウン)が装備され、釣った魚やベイトフィッシュを長時間にわたり生かしておけるようになっている。

さらにスターンにはバックレストと回転式シートがあり上部にはフレッシュウォーターの蛇口と2つのトレイがある。
これは使用したルアーや小道具を真水で洗浄し一時的に保管するためにつくられたと思うが、こういった装備はアングラーにとっては大変ありがたい。それにスターンには小型のハッチも設けられている。おそらく大型のカジキ類やマグロ類をランディングする際に使うハッチと思われるが、僅か25フィートのスモールボートにもこのようなハッチがあるのは、さすが本場アメリカのスポーツフィッシングボートである。

また、225馬力が搭載されていたが、25フィートには少々オーバーか?と思われたが・・・そこはやはり走りに精通したBajaのボートだった。

Bajaが25フィートのフィッシングボートとしてクラフトしたのがこのボートで、おそらくフロリダ周辺の市場を狙ったものと思われる。
フロリダ半島の南部に行ってみるとわかるが、フィッシングボートをチャーターするとほとんどがこのバハのように大型船外機のついたオープンボートである。フロリダのガイドの話によるとエバーグレース周辺では、沖合いに急に低気圧が発生しすさまじいスコールが降るとのこと、そのスコールから逃げ帰らなければならないため、このようなハイパワーが必要なのと、ポイントまでに要する時間(ロスタイム)をできるだけ少なくするのだと言う。なんともアメリカらしい考え方である。

当日は南西の強風と波のため全開で走らせることはできなかったが、操船してみた感じから云うとV角度(デッドライズ)がきついため波切りは良い。
コックピットはシンプルながらも計器、スイッチ類のレイアウトは国産メーカーにはないスポーティさと豪華さを感じさせる。さらに総重量1,769kgはボートの大きさと形状から云うと比較的軽くおそらくプレーニングに入ると豪快なボーティングができるはずだ。

エンジンはマーキュリー225hpソルトウォーター。ちなみに40ノットオーバー。
スポーツアングラーのためのボートである。
随所にスポーツフィッシングのためのアイデアが生かされている。単に聞き齧りの机上のアイデアとプランで設計されていないことが素人にも理解できる。とてもスポーツ(レーシング)ボートビルダー製とは良い意味で想像がつかない。世界を見渡せば同じセンターコンソーラーでも上には上があるものだと感じてしまう。
ただ、このボートを乗りこなすにはそれなりのファッションセンスと人生に対するセンスまで要求される気がする。停泊場所、その方法、そして出航、帰港のスタイルまで・・・・これはメルツェデスやフェラーリのノリではなく、小洒落た街角にさりげなく停車しているクワットロポルテのような感覚かもしれない。
センターコンソールといえ25フィートのオープンボートでアウトボーダーエンジン、新艇時の価格はおおよそ1000万円。
スポーツとしての究極の釣りを目指すアングラーではなく、釣りを生活のためや食料としての漁的な釣りを目指すフィッシャーマンには、全くこのボートを勧めることは不可能だし、理解もされないだろう。
今、国内センターコンソールボート市場には、輸入艇、国産メーカーからもそれぞれのコンセプトで販売されてはいるが、そこには「安価、安定性、フィッシャーマンのために」と通り一遍のキャッチコピーを並べてはいるが、このBaja 250 SFまで高価で高慢なボートはない。
■全長7.59m■全幅2.59m■乾燥重量 1,769kg(1基)■燃料容量    530L■デッドライズ24°■定員6名■航行区域・ 限定沿海
■エンジン・ MERC 225hp×1基■最高速度・約43kt(80km/h)225hp×1
撮影協力 I.G.F.A 加盟 SPLASH
Report 松浦昌治/ジャパンゲ−ムフィッシュ協会常任理事/I.G.F.A 加盟 SPLASH代表  
        
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