スズキX-24
新設計のボトム形状が理解できる。大きなフレア、V型オメガハルとフィンキールの採用とで、直進性、旋回時が格段に向上。さらに、バウからスターンにかけて「レベルフローテーション構造」と呼ばれるFRP積層された船底とハットガーター部の間にウレタンを用いた構造体で剛性、浮力がアップしている。
これで24フィート???
このボートにあえて、もうひとつ望むものがあるとしたら、それは「もう少し手に負えないような野性味を持たせたいものだ。」と表現したくなるほど、大人しく、安定し尽くしている。

まず、ポンツーンに舫われたX・24の左舷に立つ、ここでのファーストインプレッションは、見慣れたごく普通の最近流行のセンターコンソローラーであるが、その左舷を跨ぎ一歩デッキに降りてみると、まずはデッキスペースの広さに驚いてしまう。
特にビームの広さには改めてため息が出てしまう。
これで24フィート???

最小限のガソリンを、自慢のスズキ4ストローク250馬力に注ぎ込む。全く静かだ。
一旦、この静けさに慣れてしまうと2ストロークやディーゼルのノイジィーさには馴染めなくなってくる。
もはや、ディーゼルの安心感と経済性(燃費)を比較しても、個人的意見では、圧倒的に4ストロークをチョイスする。
船外機では不安?はもう一時代前の思考になってしまった感じさえ受けてしまう。

港内を抜け出し、フルスロットルに、一瞬にしてMAXスピードの40ノットオーバーの領域に入り込む。
この日の海面は波高30cm程度、フルスロットルのままで何の傷害もなく走りきってしまうので、これでは面白くない。ではと云うことで、実験的にウェイクボードのダブルエイトの要領で自艇の曳き波をつっきるがそれでも、バウが浮き上がることはない。
これと同じことを撮影艇の曳き波でも試みたが、結果は同じことに終わった。
撮影時とは別日の荒れた海でフルスロットルのテストをした、「イシバシマリン」のスタッフの話によれば、凪と比べると、バウは浮き上がるが、例のドスンと云うフィーリングはなく「叩かない」「波を切る」と云う言葉がズバリ当てはまると云う。
さらに、「イシバシマリン」のスタッフの言葉を借りるなら、このボートは250psのエンジン性能をフルに発揮できるボートであるという。
スロットルレバーの操作に敏感に反応し、ドライバーの意思にレスポンス良く応えてくれ、まるでハイグレードなスポーツセダンに似ているとまで付け加えている。

今までのボートにない旋回性能を発揮する。
実際に乗って感じたことだが、今までのボートではあまり感じることのない「横G」を受ける。
「横G」と云っても全くフラットな状態で旋回するのではなく、現状のボートと同じように内側に傾きながら旋回するのだが、乗った感じではフラットに旋回している感じなのである。
それはクルマの中・高速時のそれと似ていおり、グリップをしたままで素直に「曲がる」ことに専念しているようだ。これは単なるスポーツフィッシャーにしておくのはもったいない感じさえある。

ただ、少し気になるのが、波の具合やスピードによって、そのグリップがストンと数10センチ程、アウト側にスライドするのが数回感じ取れたが・・・。
これはおそらく、このボートのフィンキールと、「V型オメガハル」の特性によるものかも知れない。
40ノットオーバーでもコックピットは普通に過ごせる。 まさにかっとんで行く感じ、40ノットは軽くオーバーする。
取材艇が造った波を横切るが、ちょっとバウを上げるが跳ね上がることはなかった。 停泊時の風、横波による影響は少なく、釣りに重宝する。独自のボトム構造の証である。
X-24を上部から見る。バウパルピットも高くルアー、ジギングにも安心感がある。なにより広いのが使い勝手が良い。 これは標準的なコックピットだが、ここにGPS魚探など好みに応じてフィッティングする。
オプションのダンパー付きシートは波の衝撃を和らげてくれる。ただパッセンジャーシート側にグリップが欲しいところ。
スズキ4ストローク250psの5000rpmでの航行中、まず、エンジン音が全く静がな上、ボート全体の振動も少ない。(ステアリング、ステアリングノブはオプション設定)
スズキX-24と
ヤンマー「トップラン24CS」はシスターボート。
スズキX-24にはDF250TUL 250ps。
トップランにはBF225A 225psを搭載。
このボートは「スズキ・アグレッサー」と設計コンセプトを同じ、堅牢且つ乗り心地を重視に「スズキ」
が設計を担当し、「ヤンマー造船」が建造したボートである。
それを「ヤンマー」「スズキ」がそれぞれのルートで販売する試みでスタートした。
「ヤンマー・トップラン24CSのパワーユニットはホンダ4ストローク、BF225Aと BF135Aの2機種を発売。
一方「スズキ」側は同社ブランドの定評あるDF250TULを搭載している。

このV型6気筒 3.6L、EPI、DOHC24バルブエンジンは業界初の55°のバンク角度でコンパクト化に成功した250ps、183.9kwを搭載している。
これを「ホンダBF225A」と比較すると165,5kw、225psで馬力の差はあるが、スズキエンジンの特性を考慮すればコンパクトであると同時に船外機そのものの重心を前方に移動し、艇全体のバランス向上に良い結果を与えているし、エンジンの振動を低いレベルに抑えることにも成功しているところなどを考慮すれば、やや「スズキ」に部があるように思える。
さらに、スズキエンジンは2、29の大きな減速比を生み出し、減速比(トルク)を大きくし、大ピッチの16インチプロペラを使用していることだ。
これは以前にも記したが、プロペラは水中でスリップをおこす傾向にあり、これは型が小さいほど多いが、単に大きくすれば良いと云うものではなく、プロペラを最適なピッチで回転させていることだ。
スズキ4ストローク250psを搭載、パワー、静粛性、高燃費とも申し分ない。

気になる燃費。
さらに、電子制御燃料噴射装置(EPI)とコンピュータ制御のアイドリングを適正に保つ装置(IAC)の採用で、アイドリングから高回転域までのレンジで低燃費化に成功している。
実際フィッシング時のアイドリングや微速時などにはかなりの効果を上げているといえよう。

高出力オルタネーター
54Aの発電能力を備えた高出力のオルタネータが装備され、1000rpmでも38A前後の電力が供給されるよう設計がなされているのもスポーツフィッシングには強い見方となる。

標準装備とオプション装備品。
取材に使用したX-24はオプションパーツが多数含まれているが、目立ったところではTトップはオプション装備である。

スタンダードでセットされているのは、DF250TULエンジンとそのパケージと、付いていてあたりまえ的なパーツのみにとどまり、オプションはTトップとオーバーヘッドコンソール、航海灯、ドライバーズシート、パッセンジャーシート、ステアリングノブ、手動式マリントイレ、イケスサブハッチ、サイドパッド、コンソールパッド、大型バウレール、ビルジポンプ、スターンレール、スターンシート、デッキウォシャー、サブバッテリーセットなどであるが、この中Tトップバウレール、ビルジポンプ、スターンレール、スターンシート、デッキウォシャー、バッテリーセットは工場での取り付けになるので、特にTトップなどは、購入時に慎重に検討すべき重要なパーツとなる。
これらのオプション品の取り付け費を含めた合計金額は、約240万円となるが、これは個人の好みや使用用途により、各パーツが異なることもあるため、あえてオプション設定がされている。

全体的な使い易さ。
まず、21フィートクラスと比較して、当然のことながらデッキの広さとブルワークの高さに驚く、また何より、艇そのもののにどっしりとした安定感があるのが、他のセンターコントローラーと大きな差を感じる。
この安定感の秘密のひとつに、V型オメガハルとフィンキールの採用とで、左右のバランスを保ち、風による横流れの減少に威力を発揮している。
これは、直進性、旋回時に強く身体に感じることができた。


さらに、バウからスターンにかけて「レベルフローテーション構造」と呼ばれるFRP積層された船底とハットガーター部の間にウレタンを用いた構造体がある。これが従来艇と比較して剛性がアップし浮力をも増し、航行時の衝撃音やキシミ音も減少させている。
現にあの不愉快なFRP独特の「ギシツ」と「ガツン」の音を聞くことはなかった。

さらに画像でも解るが、大型のフレアによって凌波性が格段に向上し、たいていの波は左右に蹴散らし、デッキ上に上がることもなかった。
もうひとつ、簡単なことではあるが、排水口スカッパ(フリーイングポート)が左右合計に6ケ所設置され、スプレイやボーティング後の清掃に絶大な排水を発揮している。

アングラーのために。
スポーツアングラーにとって、一番の課題はデッキ上の動きやすさだろう、これは前記したように、他の24フィートクラスと比較してもかなり広く、前後左右に充分なファイティングスペースがある、実際のルアーフィッシングにしても4名同時が可能となる。
また、燃料タンクも300リッターの容量があり、スズキ4ストロークの高燃費を考えれば、かなりの遠出も可能になる。
さらに、アフトデッキには大型のイケス、コンソール内にはオプション設定であるがマリントイレも配備できる。

24フィート、センターコンソール、全長7.37m、全幅2.71m、定員8名、スズキ4ストローク船外機DF250をどうドレスアップして行くかは、アングラーのセンス次第である。

イシバシマリンで販売中。

堺市にあるイシバシマリンでは、この「X-24」を特別価格で販売の相談から、標準仕様からオプション艤装、さらにアングラーの好みや使用用途に合わせたセッティングの相談にものってくれる。
また、ボート免許取得、保管、日常のメンテナンスも行っており、フィッシングファンには便利なところでもある。



●取材協力 イシバシマリン
大阪府堺市浜寺石津町西5-10-19 TEL:072(264)1473/Fax:072(264)2230
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